• 狩野川と田方平野

        
  •  
  •  
  •  

太平洋側の大きな河川は通常、北から南に向かって流れ下っています。 狩野川だけは、天城山系から源を発し、北に向かって流れています。これだけとっても伊豆半島は本州とは違うことに思い当たるでしょう。

狩野川と田方平野
地域
肥田
名称
狩野川と田方平野
分類
ジオ遺産・川と平野
住所
静岡県田方郡函南町

田方平野を北上してきた狩野川は、肥田付近で箱根火山の溶岩や火砕流・土石流の南への押し出により、静浦山地の山すそに沿って大きく西に流れを変えています。 また、清水町付近で、富士山の溶岩や土石流の先端に阻まれて、西に流れを変えて、沼津市にきてようやく南下して、駿河湾に注いでいます。

氷河期が終わり、約6000年前の縄文時代には、完新世の気候最温暖期による縄文海進のため、海面が現在よりも数メートル高く、田方平野は古狩野湾の湾内でした。その後の海面後退で、狩野川とその支流からの堆積物で田方平野ができあがりました。 田方平野は狩野川上流からの沃土の供給により、うるおされてきたという恵みの一方で、上流及び狩野川に注ぐ支流からの土砂の流入と屈曲する流れから排水能力には限界があり、流域に洪水被害をもたらしてきました。


見どころ

  • 狩野川台風記念碑
    狩野川台風記念碑

    仁田橋の北の仁田館遺跡近くに、狩野川台風の記念碑が立られています。

  • 川の駅
    川の駅

    狩野川と柿沢川の合流する地点に設けられた施設で、万一の災害時には、災害復旧の拠点「防災ステーション」となり、平常時は狩野川の水辺の自然を活かした「憩いの場」となる施設です。狩野川展示館には狩野川の治水に関する情報が展示されています。

  • 道の駅[伊豆ゲートウェイ函南]
    道の駅[伊豆ゲートウェイ函南]

    川の駅近くには、道の駅「伊豆ゲートウェイ函南」があります。伊豆の旅行の出発点として、そして伊豆の情報や人が目指す場所として「門(ゲートウェイ)」という名前を付けました。

  • 地下水位観測施設
    地下水位観測施設

    肥田神社の境内背後には、静岡県の地下水位観測施設が設けられています。この地域は狩野川の砂礫が厚く堆積しているので、地盤沈下が大きいので、地下水位を観測して警戒しています。

  • 深度地層断面図
    深度地層断面図

    施設の壁には、地下のボーリングから分かった深度地層断面図と、地下80m付近のコアが展示されています。80mまでは狩野川が運搬した堆積物です。

  • 貝などの化石
    貝などの化石

    東駿河湾環状道路の間宮地区の工事で、土中から泥層に混じって、貝殻が出てきたそうです。縄文海進の時代の古狩野湾がこの地まで広がっていたことを物語るものです。


TOP