• 原生林     
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函南の原生林は、地元では禁伐林とも呼ばれ、箱根外輪山のひとつである鞍掛山の南西斜面に位置します。原生林は強い樹が勝ち残って大木となるので、大樹立とも呼ばれています。標高860m付近から来光川上流の550m付近に広がっている総面積223haの自然林で、下流の函南町や三島市の水田をうるおす水源涵養林として、昔から手厚く保護されてきた森林です。

原生林
地域
函南町
名称
原生林
分類
植物遺産:原生林
住所
静岡県田方郡函南町桑原1364-1

 この森は、地域の農民が自主的に禁伐の掟を作り、資金と労力を拠出し先祖代々保護してきたので禁伐林と呼ばれています。過去を振り返ると伐採の危機は何度となくありました。記録に残るものとして、江戸時代に徳川幕府は、御用炭の供出を命じました。地元関係者の粘り強い中止願いを受けた江川坦庵の仲介もあり、幕政の一環として江戸を守る自然のとりでとしての機能もあって存続できたのでした。

 また、昭和初期の水騒動では、残念ながら現在の原生林から観音滝に至る禁伐林の一部25haが伐採されました。しかし、地元での保護努力の結果、今日のように自然の森林を残すことができました。

 私たち函南町の誇りとして、これからもずっと伝えて守っていきたいものです。


Information

 
あり・無料・39台
 
JR東海道線・函南(かんなみ)駅から徒歩約8Km
 
あり

見どころ

  • 原生林
    原生林

    「函南原生林」は箱根山禁伐林組合の管理地で、貴重な古木群を保護するために原則として入山が禁止されています。

  • 不伐の森
    不伐の森

    原生林の樹木は、伐採することは禁じられています。

  • 倒木した大ブナ
    倒木した大ブナ

    かつて大ブナの根を保護するために設けられた展望台からは雄大な大ブナの姿は見えません。 巨大ブナ(推定700年)は、平成17年に倒れて枯死して仕舞いました。 昭和60年までは人が入ることはありませんでしたが、昭和63年に[日本一幹の太いブナノキ]と認定を受けてから、一躍有名となり、連日ツアー客が入るようになりました。管理者の箱根山禁伐林組合は急いで、[学習の道]などの整備を進めましたが、サクを越えてブナに近づく人は後を絶たず、下草が踏み荒らされ、根腐れが徐々に進み、台風の度に大枝が落ちることが多くなっていきました。養分が回らなく、芽吹きも減ってしまい、ついに倒れてしまったのです。

  • 原生の森公園
    原生の森公園

    原生林の入り口には、原生の森公園が整備されていて、駐車場とトイレが利用できます。原生林まで入らなくても、四季折々の姿を楽しめます。

  • 紫水の池
    紫水の池

    紫水の池周辺には、ヒノキ、ヤマボウシ、ヒメシャラ、ケヤキ、エゴノキ、マメザクラ、アセビ、ヤマツヅジ、ガクアジサイ等約90種の花木が観賞できます。

  • 紫水の池
    紫水の池

    箱根西麓の斜面から流入する沢水が一時的に溜まって、静謐な水面を保ちます。

  • 紫水の池周辺
    紫水の池周辺

    遅い秋には、紅葉も楽しめます。


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