箱根町から伊豆市までの全長32Kmにいくつもの断層が並行したり、あるいは雁行(斜めに並行)して走る活断層の総称を北伊豆断層帯と呼びます。丹那断層は、北伊豆断層帯の中の最も代表的な活断層です。
丹那断層は、フィリピン海フレートの先端の沈み込みにより、数十万年前から活動しており、その間の地震の繰り返しにより、累積で水平1Km/垂直に100mほどのずれが生じたと考えられています。 丹那断層は、活動繰り返し期間が700~1000年ということと、“1000年あたりの平均的なずれの量が 2m前後”であることから、A級の活断層(日本には、100ほどある)と認定されています。
Information
- あり・無料 5台
- 公共交通機関によるアクセスなし
- あり
見どころ
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天然記念物
地震以前、この場所には農家がありました。奥に見える地下観察室の場所に、茅葺屋根の農家がありました。石垣の北側(写真では、奥)にお庭があり、石垣の南側(写真では手前)に畑がありました。断層によって地表面に出現した左横ずれをチェーンで囲んで、国の天然記念物に指定されています。
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横ずれ-石垣
庭と畑の境にあった石垣は、東側(写真では奥)が途中で分断されていて、赤い標識で示される断層線を境に奥側が左(北)へずれ(相対的ですが、手前側が右へずれ)、その水平ずれは約2.6メートルで、更に手前側(西)が向こう側(東)に対して少し隆起しています。
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横ずれ-小川
石で囲まれた水路が流れていましたが、南北に分断されてずれているのが分かります。水路とゴミ捨て場の石は当時のモノを用い、一部に新しい石を入れてあります。
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横ずれ-丸池
地震当時はゴミ焼き場(元々は池と考えられます)があり、ほぼ真ん中で二つに分断されて半円状に食い違って見えます。
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横ずれ 3D Model
天然記念物[横ずれ断層]を3D Model化してみました。
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横ずれの復元
3D Modelで、横ずれを復元してみました。
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地下観察室
平成7年に函南町は、丹那断層の地下の様子を見るために、元農家があった場所を掘削して、地下観察室を建てました。
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南壁のイラスト
地下観察室では、掘削された断層面がみられます。発掘当時の断面の様子がイラストで表示されています。
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北壁のイラスト
北壁の断層線は明瞭ではありません。主断層から斜めに走る雁行断層が見えているそうです。
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断層線
南壁にF1と表示されている境界が、北伊豆地震で発生した断層線の地下の様子です。F1の左側と右側の地層が異なるように見えます。右側を約2.6mほど奥に掘ると、左側につながる地層が現れるかもしれません。
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立体地図
丹那断層公園内にあるジオラマで、田代盆地から池の山峠までの間に走った丹那断層の位置を示しています。
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名賀トレンチ
北伊豆地震後、丹那盆地などで3回にわたり断層の発掘調査が行われました。 その結果、少なくとも、過去7000~8000年の間に、9回の断層活動があったことが分かりました。平均すると、700 ~1000 年の間隔で繰り返し、かなり規則正しく活動してきたことを示しているそうです。
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名賀トレンチ跡
名賀トレンチを掘削した場所は、川口の森の南西の水田でした。今では、埋め戻されて、元の水田に復しています。
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川口の森
古くから代々、丹那の庄屋を勤めた川口家は、丹那盆地の中に隆起した丘の上に建ち、川口の森と呼ばれています。
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剥ぎ取り標本
函南町の文化センターには、名賀トレンチからはぎとった断層(垂直ズレ)の実物標本が展示されています。地下1~3mのところのものだそうです。
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伝・鬢水石
公園に置かれている二つの石は、かつては川口の森内にあったもので、どんなにひでりが続いても、この石の水がかれることがないとといわれていました。頼朝の鬢水石であったと伝わります。