(故)久野久東大教授は、丹那断層付近の多賀火山や湯河原火山の地質調査を行っている時に、丹那断層の両側の土地が南北に約1km食い違っていることを発見しました。
冷川の支流が軽井沢の西で二つに枝分かれしていますが(図のAとB)、どちらの谷も丹那断層の位置で途切れ、その東側にあるはずの上流がありません。
久野教授は、軽井沢の北隣の田代盆地の東にある二本の谷(図のA’とB’)が東側の続きであると考えました。東側の二本の谷も丹那断層の西側には続いていません。 そこで、丹那断層が、その両側の土地を南北に1kmずらしたと考えれば、両者(AとA’、BとB’)はうまく接続します。
- 地域
- 軽井沢
- 名称
- 分断された谷
- 分類
- ジオ遺産・断層
- 住所
- 静岡県田方郡函南町軽井沢
Information
- なし
- 公共交通機関によるアクセスなし
- なし
見どころ
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A地点
A地点と思われる場所を下流側より。(冷川の支流は峠よりかなり下の途中で消滅している)向こうに見えるのは、断層より東側の弦巻山の西斜面です。
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A’地点
A’地点と思われる場所の上流側の沢。(大小の岩がゴロゴロ。この沢は十国峠下が源流)
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B地点
B地点と思われる場所を下流側より。(こちらには沢は残っていない)この先で道路は断層西側の崖にぶつかるので、崖沿いを左に折れます。
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B’地点
B’地点と思われる場所の上流側の沢。(大小の岩がゴロゴロ。この沢は軽井沢峠や熱海峠近くが源流)
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C-C’
丹那断層帯は、池ノ山峠を越えて、伊豆の国市にある深沢川も同様に分断していることが判っています。丹那断層や浮橋断層などの断層活動により、南北に約1Km左横ずれし、西側が100m程度隆起したので、深沢川はC’地点から南に下るしかなくなり、浮橋を過ぎて三福まで南下した後に、狩野川に合流しています。北行する狩野川と南行する深沢川と、どちらもジオ的には珍しい川です。
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C地点
C地点と思われる場所を下流側より。この先、いきなり谷となって深沢川に向かって、道路は下っていきます。
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C’地点
C’地点と思われる場所の上流の沢。伊豆の国市の市民の森公園の中を深沢川の源流は流れています。