昭和33年9月26日から27日にかけて、伊豆半島南端を北上した台風22号(880hPa)は、天城山系で時間雨量80~120mmという豪雨をもたらしました。湯ケ島で総雨量753ミリメートルに達し、狩野川流域一帯に大水害を引き起こし、函南町の平坦部の水田にも未曾有の被害を及ぼしました。家屋の全壊10戸・流失110棟、死者2名・重軽傷者53名の被害を生じました。
増水していた町内の河川は、塚本・大久保の大場川、日守・土手の来光川、肥田・蛇が橋の来光川の三か所の堤防が決壊しました。
決壊箇所から狩野川の上流地帯から押し流されてきた家屋と人、流木を交えた濁流が、当町の平坦部に流れ込んできました。濁流の中から170余の生存者を救助できましたが、151名の方の亡骸が収容されました。
町内の主な被害は、床上浸水が日守・新田・塚本・肥田・畑毛・仁田・間宮の各部落で発生しました。また、泥で埋まった農地は肥田・塚本・間宮・日守・新田・仁田の各部落にわたり、その面積は、112haに達しました。
Information
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見どころ
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狩野川台風記念碑
仁田館遺跡には、狩野川台風の記念碑が建てられています。狩野川の濁流に流された人たちが救われ、亡骸が収容されました。
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興聖寺・階段
狩野川台風で氾濫した濁流は興聖寺にも押し寄せました。お寺に避難していた人々は、いよいよ最後は裏の森山に駆け上るつもりでいました。幸いにも、階段の中間あたりまでで止まったので、助かったそうです。
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川の駅
道の駅[伊豆ゲートウェイ函南]に併設された[川の駅]は、万一の災害時には、災害復旧の拠点「防災ステーション」となり、平常時は狩野川の水辺の自然を活かした「憩いの場」となる施設です。
館内の狩野川展示館では、狩野川の水生生物の展示、函南町や伊豆エリアの観光情報の紹介、防災への理解を深めるための展示コーナーなどがあります。
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道の駅[伊豆ゲートウェイ函南]
道の駅「伊豆ゲートウェイ函南」は、伊豆の旅行の出発点として、そして伊豆の情報や人が目指す場所として「門(ゲートウェイ)」という名前を付けました。
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地下水位観測施設
肥田の肥田神社境内後方に、静岡県の地下水位観測施設があります。この地域は狩野川の砂礫が厚く堆積しているので、地盤沈下が大きいそうです。
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深度地層断面図
観測施設の壁には、地下のボーリングから分かった深度地層断面図と、地下80m付近のコアが展示されています。
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環状道路工事の貝化石
伊豆縦貫道の建設の際に、軟弱地盤に深いところで60mものパイルを打ち込んでいます。掘削の際に地下深くから、シルトなどに挟まった貝化石などが出てきました。縄文海進の時代に、田方平野は浅い海だったことが知られています。