平井の台地の先端の崖にあり、古墳時代後期の6世紀末から奈良時代(8世紀)にかけて使われた横穴墓が、300基以上あると考えられています。公園内の200基近い横穴墓が国の史跡に指定されています。
横穴が造られている地質は、約6万5千年前に箱根火山の噴火の際に流れ出した箱根火山新期軽石流(火砕流)が堆積した軽石凝灰岩を主体としているため、横穴を加工しやすい反面壊れやすい性質もあります。鉄製のノミの跡も残っています。
Information
- あり・無料 140台
- 伊豆箱根鉄道線・仁田(にった)駅から徒歩約2Km
- あり
見どころ
柏谷横穴群は、大きくは5地区に、各地区はさらにいくつかのグループに分かれています。これらの横穴墓は、広大な平井の丘陵上に数多くの集落遺跡があることから、それら集落の墓域としてとらえることができます。ここに埋葬された人は、集落に住んでいた人々のうちの、指導者的な人たちや占い師と考えられています。
内部を玄室といい黄泉の国(あの世)となり死者が生活する場となります。食料品や食器(土器)や耳飾りなどの装飾品、武具、馬具などが副葬品として出土しています。
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玄室内
遺体は玄室の中に安置されて、閉塞石を積んで放置され、土をかぶせたわけではないそうです。玄室の中で腐敗し、白骨化した後は長い時間をかけて風化したようで、骨は残っていなかったそうです。
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軽石・火山灰層
横穴群は、約6万5選前の箱根火山からの軽石流が堆積した崖に掘られています。玄室内で、新鮮な軽石火山灰の堆積層が見られます。
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1号~6号墓
B地区の1~6号墓は調査後に埋め戻して保存されています。横穴墓の番号は、調査順に付けられたものです。
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伊豆最古の横穴墓
公園の東側の斜面に掘られた横穴群で、125号と127号は伊豆地方で最古の横穴で、古墳時代後期の六世紀末頃であることがわかりました。
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閉塞石
122号墳には、閉塞石を復元してあります。閉塞石は、玄室を塞ぐために積まれた石です。
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火葬墓
右側の小さな横穴は、奈良時代に広まった火葬用の穴のようです。