軽井沢の集落にある民家の小屋には、田代盆地の畑から掘り出された貴重な神代杉が展示されています。個人のお宅にあるので、事前の予約が必要です。
神代杉は、数千年以上昔(いわゆる神代の頃)、スギなどの巨木が地震や噴火などの天変地異によって倒れ、火山灰や土砂に覆われて埋没し、長い年月を経て半化石化したものです。田代の神代杉は炭化が十分に進まなかったので、青みがかった黒色で、木目のきれいな良材で、ジオ的にも価値がある物です。主に根っこから枝までの特徴のある物が展示されています。
Information
- なし
- 公共交通機関によるアクセスなし
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見どころ
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田代盆地の埋木
昭和47年に田代地区の耕土改善事業を行った際に、土中から神代杉が見つかりました。以前から、土地の人たちは、田んぼの水漏れが神代杉のせいだとわかっていたようです。
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田代盆地・ボーリング
田代盆地の地下37mまでボーリングしたところ、シルト・砂礫層が7層にわたって堆積していたそうです。いくつかの堆積層の中から神代杉が見つかりました。 数千年前、田代の地には深い断層谷があり、周囲から降り積もった土埃、火山灰や、流れ込んだ砂礫などが堆積し、湿地帯となり、その上にスギなどの樹木が成長することを何回も繰り返して今の盆地となったものと考えられます。
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田代盆地・想像図
ボーリングと埋木・植物の調査から、地下の様子を想像した図が残されています。
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田代盆地の神代杉
神代杉は、数千年以上昔(いわゆる神代の頃)、スギなどの巨木が地震や噴火などの天変地異によって倒れ、火山灰や土砂に覆われて埋没し、長い年月を経て半化石化したものです。
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地下水流による選択的浸食
亀のように見える神代杉は、地底の水と細かい砂の流れにより、長い時間をかけて、柔らかい部分が浸食されてできた模様が見えます。
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地下水脈による侵食
地下の中で、わずかな地下水の流れにより、砂が回転して、ボットホールと同じように、丸い窪みを作っているのが見えます。
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神代杉の板材
土中から掘り出した時点では紫色をしていた木材は、空気に触れると徐々に退色していったそうです。
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神代杉の根(上下逆)
上下を逆にして小さく細いひげ根が見えるように展示しています。杉は水を好みますが、根は浅く横に広がります。ここに展示されている杉は立ったままで埋め木となっていたものもあり、湿地に生えていたままで立ち枯れたものと考えられます。
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自然の芸術
掘り出した埋め木を洗浄するだけで、加工はしていないそうです。龍に見えますね。
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珪化(けいか)木
半分、珪化が進んだ埋め木も見つかりました。
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レンコン状の穴
木材のやわらかい部分は腐食して穴が開いています。
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横井戸
神代杉展示場の裏山には、手掘りのトンネル(全長30m)があり、搾れ水を利用しています。